流行に乗って、眉毛を綺麗に処理!・・・のはずが!?
【沖縄県 那覇市 daidaiさん 】
これは私の友人の話です。
私たちが学生の頃、眉毛を整えるのが普通でした。
細い山形の眉毛が流行していたので男の子も女の子も眉毛が細い時代です。
私の友人は剃るだけだと泥棒の髭のように青々してしまう位の剛毛な眉毛の持ち主でした。
そんな彼女も流行に乗って眉毛を細くしたい願望があり、ティーン雑誌の眉毛処理ページを見ながら(しかもページを綺麗に切り抜いていました。いわゆるテンプレートのはしり)真似していました。
彼女の頑張りは見ている方からすると、良い方へは向かっておらず、むしろもともとの形と目指すところが違いすぎて、ガタガタなうえ、毛の長さをうまくカットできずボサボサなところと切りすぎて目も当てられないようなところが混在した切ない眉毛でした。
友人が毎日眉のことばかり気にしてると悲劇が・・・!
それでも頑張って練習し、なんとか見られるようになった頃です。毎日眉毛のことを考えていたのでしょう、カミソリと眉毛用のハサミをポーチに持ち歩いていた彼女は次の授業の移動中にお手洗いへ行き、急に眉毛が気になり出したのです。
授業が始まるから行こうと言う私を放置し、お手洗いで眉毛のお手入れを始めてしまったのです。人の眉毛のお手入れを見ることはなかなかないので、すごい格好でハサミの角度を調整する友人はそれはそれは爆笑ものでした。
顔も頑張りすぎていて、私は笑っていましたが彼女は真剣そのもの。
洗面台の鏡にベターっと張り付いて、次は眉にカミソリを入れ始めました。
私は時計をチェックしに廊下に出て、またお手洗いに戻ります。すると、彼女はもう、それは泣いているに等しい位の落ち込み様でした。
「どうしたの!?」
と私が言うと、なんと右の眉毛が眉山より先がありませんでした。
書き足すことも前髪で隠すこともできず、生えてくるまで赤っ恥!
綺麗な長方形がペタっと張り付いている、そんな様子でした。彼女は前髪が短く眉毛を隠すには程遠い所に前髪があったので、隠すこともできません。
しかも次の授業が迫っています。
その頃はメイク道具もなく眉ペンシルもありません。
鉛筆を持ち歩くこともなく、あるのはシャープペンとボールペンと消しゴムや定規。とにかく授業には遅れられないので嫌がる彼女を懸命に説得し、授業を受けました。
彼女は授業中ずっと右の顔半分を頬杖をつくようにして隠していました。
幸い、ほぼノートを書くことのない授業だったので些細な違和感で済み、授業が終わると皆が教室を出るまで同じ格好をキープ(笑)。
教室の隅にあった4Bの鉛筆でなくなった部分を書き足し、なんとかその日を終えることができました。その日以降は眉ペンシルで生えてくるまで書き足していましたが、部活で汗をかいて消えると皆につっこまれ、最後はネタになっていました。
でも彼女も強情なので
「眉山から先がない方がいい角度に書けるからいいよ」
と返し、青春の楽しい思い出になりました。
眉は少し変えるだけで顔の印象がガラリと変わってしまうので、当時友人は相当恥ずかしかっただろうと思います。
眉の調整はコツが必要になるので、取り返しのつかない失敗をしてしまわないように、焦らず丁寧に処理を行うことが大事だなと、友人を見て心底思いました。