腕のホクロ毛と好きな男の子との思い出…
【沖縄県 那覇市 otaさん 】
毛深い私は、半袖を着る季節になると、手の剃毛は毎日の欠かせない仕事の一つでした。
大学に入り、サロンで脱毛してからはそれほど気にする必要もなくなり、それまで嫌いだった夏のおしゃれも楽しめるようになりました。
でも、私の敵は毛の他にもいたのです。
それが腕にある大きなホクロ。
物心ついた時からこのホクロは私の腕にありましたが、これはただ平面なだけでなくぷくっと膨らんでいるホクロだったのです。
そのためか、よく「あれ?虫がついてるよ?」と友達から指摘され、その度に「ありがとう・・・これホクロなんだ」と恥ずかしくなったものです。
このホクロについていろいろ調べるうちに、いくつかみた情報の中で「ぷくっと出ているホクロはガンになる可能性がある」というものを目にしました。
それからこのホクロがもしガンだったらどうしようと毎日怖い思いをしていました。
しかし、「毛が生えているホクロは大丈夫」という情報を見かけ一安心。
実はこのホクロにはサザエさんに出てくる波平さんのようにぴんと一本毛が生えていたのでした。
それから、私の体に生えるムダ毛の中でも、このホクロ毛だけは私の健康のバロメーターとしてお気に入りのムダ毛になりました。
取れてしまわないように、ひっぱらず、刺激せず、もちろん剃ったり切ったりなんてことはもってのほかです。
急にムダ毛が愛おしく感じ始めました。
もちろん、大学生になってからいった脱毛サロンでもホクロにはシールが貼られてレーザーが照射されないように対処してもらい、このホクロ毛は守られてきました。
この毛がある限り、私のホクロは大丈夫だと目立つ位置にあるにも関わらず、そのホクロに生えた一本の毛は伸ばし放題でした。
お気に入りだったホクロ毛だけど…
しかし、そんなある日、好きな男の子と他の友達と学校帰りに花火をやることになりました。
薄暗い道を歩き、途中のコンビニに花火を買うために入りました。
その明るい店内で、思いを寄せていた彼が、私のホクロをまじまじ見て行ったのです。
「なんで、このホクロこんなに長い毛が生えてるの?」
私は急に恥ずかしくなりました。
「えっと、なんかホクロって刺激したらよくないみたいだから抜くの怖くて・・・」
としどろもどろになりながら答えた私にさらにとどめめの一言が。
「いや、もうちょっと目立たないように切ったら?」
・・・愛しく思えていたホクロ毛・・・。この時ばかりはホクロ毛が憎らしく感じてしまいました。
それ以来、私は大切にしていたホクロの毛が誰にも見られないようにこまめに短くカットするようになりました。
やっぱりどんなに思い入れがあってもムダ毛は恥ずかしいものだと、痛感しました。。